白い女の赤い鍵(仮決定) 1−5
2004年7月6日 小説そこにいたのは、今朝道端でぶつかった、あの白い女その人であった。
「・・え!?なんで?」
状況をまったく理解できない。よくよく考えたら、さっきぶつかって名前を言われたくらいなのだから、もしかしたら知ってる人なのかもしれない。
もし知ってる人なのだったら、朝といい今といいとても失礼なことをしている。どうしよう。
すると、おくの部屋からひょこっと顔を出す親父。
「おかえり直人くん」
そこにいたのなら、最初に大声だした時点で気がついていただろう。恐らく、困惑する俺を見て楽しむためだ。くそ親父め。
「だ、誰?この人?」
「この人は、新しい奥さあいたぁっ!」
足が踏まれている。
「この人は、家政婦のバイト。夏休みを利用してね。半分ファームステイ、みたいなもので」
「そうなんです〜」
あぁ、そうか、親父一人だと大変だよな。女の人がいないと何かと大変なこともあるし・・
「いや、おかしくない?」
「ん?そうかな?お父さん的には若い女の子が家にいてくれるんだから幸せだけど」
「そういう問題じゃなくて!」
「大丈夫ですよ、何かされたら即警察に通報して突き出しますから」
この人、雇われてるはずなのに怖いこと言ってるぞ。
「そんなことより直人、お前プールがどうのこうの、って言ってなかったか?」
「あ、そうだ!」
急展開のせいで忘れていた。もしかしたら二人のどちらかはもう家にきてしまうかもしれない。
「じゃあのいちゃんの最初の仕事だ!直人の水着とか用意!」
「場所知りません」
「あーじゃあ一緒にしよう」
よくわからないまま、二人は奥へいってしまった。
ちゃらんぽらんな父親と、よくわからない女。乃衣とか言ったっけ?
変な名前だ・・
「直人ー!」
外から声がする。この声は靖だ。
まず、友達とプールへ行く。それが最優先事項なのだった。
::::::::::
超久しぶりです。
台本書いてるせいか、会話で話を進めようとしてしまうからダメだダメだ。文才ないのか。ない。
すごい設定です。気にしないでください。後々わかる・・・のかなぁ?(マテ)
「・・え!?なんで?」
状況をまったく理解できない。よくよく考えたら、さっきぶつかって名前を言われたくらいなのだから、もしかしたら知ってる人なのかもしれない。
もし知ってる人なのだったら、朝といい今といいとても失礼なことをしている。どうしよう。
すると、おくの部屋からひょこっと顔を出す親父。
「おかえり直人くん」
そこにいたのなら、最初に大声だした時点で気がついていただろう。恐らく、困惑する俺を見て楽しむためだ。くそ親父め。
「だ、誰?この人?」
「この人は、新しい奥さあいたぁっ!」
足が踏まれている。
「この人は、家政婦のバイト。夏休みを利用してね。半分ファームステイ、みたいなもので」
「そうなんです〜」
あぁ、そうか、親父一人だと大変だよな。女の人がいないと何かと大変なこともあるし・・
「いや、おかしくない?」
「ん?そうかな?お父さん的には若い女の子が家にいてくれるんだから幸せだけど」
「そういう問題じゃなくて!」
「大丈夫ですよ、何かされたら即警察に通報して突き出しますから」
この人、雇われてるはずなのに怖いこと言ってるぞ。
「そんなことより直人、お前プールがどうのこうの、って言ってなかったか?」
「あ、そうだ!」
急展開のせいで忘れていた。もしかしたら二人のどちらかはもう家にきてしまうかもしれない。
「じゃあのいちゃんの最初の仕事だ!直人の水着とか用意!」
「場所知りません」
「あーじゃあ一緒にしよう」
よくわからないまま、二人は奥へいってしまった。
ちゃらんぽらんな父親と、よくわからない女。乃衣とか言ったっけ?
変な名前だ・・
「直人ー!」
外から声がする。この声は靖だ。
まず、友達とプールへ行く。それが最優先事項なのだった。
::::::::::
超久しぶりです。
台本書いてるせいか、会話で話を進めようとしてしまうからダメだダメだ。文才ないのか。ない。
すごい設定です。気にしないでください。後々わかる・・・のかなぁ?(マテ)
白い女の赤い鍵(仮決定) 1−4
2004年7月5日 小説直人と純一は、家が近いのも手伝ってこうしてよく二人で話をしていた。
靖のようにやんちゃすぎない二人は、たくさん話し合い、なんでも話せる仲になっていた。
だからこそ、直人は純一のいつもと違う気配を、なんとなく感じ取れていた。
「珍しいな、純一からどこに行きたいなんて言い出すの」
「あ、うん・・・」
やはり純一は何かあったようで、少し落ち着きのない様子だった。
「どうしたの?何かあった?」
思い切って直人が聞いてみると、純一は少し戸惑いながらも、思い切ったように話し始めた。
「俺さ・・受験するんだ」
受験。小学生の多くはまだその言葉についてよく知らないくらいの言葉。その響きは、純一を突然遠い存在のように思わせた。
今までもちょっとずつ塾に通ったりしてきていたらしい。
受験する年の夏休みは、勝負時なそうだ。
それで、遊べない日も増えるだろうから、自分から行きたい場所を言い出したのだという。
「・・・そっか」
「あのさ、靖には言わないでくれないかな?」
「もちろん」
靖は悪い奴じゃないが、隠し事が嫌いだった。
今まで隠してたこともあって、バレたらどうなるかは直人にも想像はついた。
直人のほうが先に着き、いったん二人も別れた。
「父さん、今日はプールに行くから、準備して〜」
玄関をあけてすぐに大声で父親を呼ぶ。
次の瞬間に、玄関の異変に気がついた。
「これ・・誰の靴だ・・?」
そこにあるのは、真っ白な靴。
女物の靴だ。それも手伝って違和感がました。
金井家には女性がいない。母親は一昨年亡くなっていた。
今ではこの田舎特有の少し大きな家に、直人と父親の威厳(いげん)の二人しか住んでいない。
女性がくる要素がまったく思いつかない家族なので、直人は警戒した。
そして、その白い靴は、今朝の白い女を思い出させた。
何にせよ嫌な予感がしたので、スルーすることに決めた。
「・・父さ〜ん?」
「はいは〜い」
家の奥から出てきたのは父親ではなく、白い女だった。
「おかえりなさいませ、直人くん」
「・・・は?」
「はじめまして、上塚乃衣と申します〜」
「・・・いや、は?」
直人の頭は、急展開についていくことができなかった。
靖のようにやんちゃすぎない二人は、たくさん話し合い、なんでも話せる仲になっていた。
だからこそ、直人は純一のいつもと違う気配を、なんとなく感じ取れていた。
「珍しいな、純一からどこに行きたいなんて言い出すの」
「あ、うん・・・」
やはり純一は何かあったようで、少し落ち着きのない様子だった。
「どうしたの?何かあった?」
思い切って直人が聞いてみると、純一は少し戸惑いながらも、思い切ったように話し始めた。
「俺さ・・受験するんだ」
受験。小学生の多くはまだその言葉についてよく知らないくらいの言葉。その響きは、純一を突然遠い存在のように思わせた。
今までもちょっとずつ塾に通ったりしてきていたらしい。
受験する年の夏休みは、勝負時なそうだ。
それで、遊べない日も増えるだろうから、自分から行きたい場所を言い出したのだという。
「・・・そっか」
「あのさ、靖には言わないでくれないかな?」
「もちろん」
靖は悪い奴じゃないが、隠し事が嫌いだった。
今まで隠してたこともあって、バレたらどうなるかは直人にも想像はついた。
直人のほうが先に着き、いったん二人も別れた。
「父さん、今日はプールに行くから、準備して〜」
玄関をあけてすぐに大声で父親を呼ぶ。
次の瞬間に、玄関の異変に気がついた。
「これ・・誰の靴だ・・?」
そこにあるのは、真っ白な靴。
女物の靴だ。それも手伝って違和感がました。
金井家には女性がいない。母親は一昨年亡くなっていた。
今ではこの田舎特有の少し大きな家に、直人と父親の威厳(いげん)の二人しか住んでいない。
女性がくる要素がまったく思いつかない家族なので、直人は警戒した。
そして、その白い靴は、今朝の白い女を思い出させた。
何にせよ嫌な予感がしたので、スルーすることに決めた。
「・・父さ〜ん?」
「はいは〜い」
家の奥から出てきたのは父親ではなく、白い女だった。
「おかえりなさいませ、直人くん」
「・・・は?」
「はじめまして、上塚乃衣と申します〜」
「・・・いや、は?」
直人の頭は、急展開についていくことができなかった。
白い女の赤い鍵(仮決定) 1−3
2004年7月4日 小説ラジオ体操を終えた直人達3人は、秘密基地という名の草むらへもぐりこみ、会議を始めた。
その日1日の行動を決める重要な会議である。
「今日はどこへ行こうか!」
靖が口火を切る。これは毎日のパターン。
その後少し話し合い、そして大体最後は靖が決める。
直人も純一もそれほど積極的に意見を出すわけじゃないのだ。
ただ楽しければいい、という考えからであった。
しかしこの日は違った。
「今日は、プールに行かない?」
純一が珍しく提案を出した。
特にプールがいやだ、という理由があるわけでもなく、今日はプールに行くことに決まった。
何より、普段意見を出さない純一が提案した、というのも大きかった。
「じゃあいったん家に帰ってから、直人の家集合な!」
直人の家が一番プールに近いのだ。
秘密基地から出て行こうとすると、人影がこっちに向かってくるのが見えた。
「まずい!隠れろ!」
再び秘密基地へ引っ込む3人。
そこにやってきたのは、ラジオのお兄さんこと白井優男と同じく高3の松尾凛奈だった。
「おい、何しゃべってるんだ?」
「静かに、ばれちゃうよ。それに静かにしないと聞こえないよ」
「えーと、だから、つまり・・」
白井はもごもごと話している。
人気のないところで高校生の男女が二人っきり。
小学6年生ともなれば、それがどういうことなのか予想はついていた。
「俺らさ、今年で受験・・じゃん?だから、その・・」
「あのさ!」
凛奈が口を開く。
「大体言いたいことはわかったんだけどさ、はっきりしてくれない?」
「だ、だから・・」
白井は、意を決して一呼吸置いた。
息を飲む3人。めんどくさそうな凛奈。
もともと真面目で通っていた白井が、なぜ少しちゃらちゃらした感じの凛奈に告白しようとしているのか、小学生にはわからなかった。
「よかったら・・俺と付き合わない?」
「ごめんなさい、私好きな人がいるの」
直球をライナーで打ち返すかのごとく即答され、一瞬場が固まる。
その時。
「うわっ!」
前にのめりすぎてた靖が草むらから出てしまったのだ。
「誰かいるのか!?」
「しまった!逃げろ!!」
一目散に逃げ出す小学生3人。
「お、お前ら!!」
少し追いかけようとするも、ふられた直後に小学生と追いかけっこする気力は、白井にはないのであった。
「それじゃあ後で直人の家でな!」
一度解散する3人。
とはいえ、直人と純一は家の方向が同じなので、途中から歩き始めた。
その日1日の行動を決める重要な会議である。
「今日はどこへ行こうか!」
靖が口火を切る。これは毎日のパターン。
その後少し話し合い、そして大体最後は靖が決める。
直人も純一もそれほど積極的に意見を出すわけじゃないのだ。
ただ楽しければいい、という考えからであった。
しかしこの日は違った。
「今日は、プールに行かない?」
純一が珍しく提案を出した。
特にプールがいやだ、という理由があるわけでもなく、今日はプールに行くことに決まった。
何より、普段意見を出さない純一が提案した、というのも大きかった。
「じゃあいったん家に帰ってから、直人の家集合な!」
直人の家が一番プールに近いのだ。
秘密基地から出て行こうとすると、人影がこっちに向かってくるのが見えた。
「まずい!隠れろ!」
再び秘密基地へ引っ込む3人。
そこにやってきたのは、ラジオのお兄さんこと白井優男と同じく高3の松尾凛奈だった。
「おい、何しゃべってるんだ?」
「静かに、ばれちゃうよ。それに静かにしないと聞こえないよ」
「えーと、だから、つまり・・」
白井はもごもごと話している。
人気のないところで高校生の男女が二人っきり。
小学6年生ともなれば、それがどういうことなのか予想はついていた。
「俺らさ、今年で受験・・じゃん?だから、その・・」
「あのさ!」
凛奈が口を開く。
「大体言いたいことはわかったんだけどさ、はっきりしてくれない?」
「だ、だから・・」
白井は、意を決して一呼吸置いた。
息を飲む3人。めんどくさそうな凛奈。
もともと真面目で通っていた白井が、なぜ少しちゃらちゃらした感じの凛奈に告白しようとしているのか、小学生にはわからなかった。
「よかったら・・俺と付き合わない?」
「ごめんなさい、私好きな人がいるの」
直球をライナーで打ち返すかのごとく即答され、一瞬場が固まる。
その時。
「うわっ!」
前にのめりすぎてた靖が草むらから出てしまったのだ。
「誰かいるのか!?」
「しまった!逃げろ!!」
一目散に逃げ出す小学生3人。
「お、お前ら!!」
少し追いかけようとするも、ふられた直後に小学生と追いかけっこする気力は、白井にはないのであった。
「それじゃあ後で直人の家でな!」
一度解散する3人。
とはいえ、直人と純一は家の方向が同じなので、途中から歩き始めた。
白い女の赤い鍵(仮決定) 1−2
2004年7月3日 小説「おっせえよ直人ー」
ラジオ体操会場には既にいつも通りの面々がそろっていた。
いなかったのは直人だけのようだ。
友人の番家純一と三綱靖が直人に声をかけてくる。
「今日こないのかと思ったよー」
「直人寝坊してもおかしくねぇからなぁ」
「違うんだよ、何か、変な女がいてさ」
目を光らせる靖。
「変?変質者ってことか!?うっわー見てみたかったなぁ!」
「いや、俺もそう思ってたんだけどさ、実際怖いもんだぜ?」
怖いもの見たさというものはあるもので、小学生は興味津々なのだった。
「よーし、じゃあ、始めるぞ〜!」
声高らかにラジオにスイッチを入れたのは、高校生の白井優男だ。確か受験生だと聞いたが、こんなことをやっていて大丈夫なのか、とか心配になったが、受験のことはよくわからないので直人は考えるのをやめた。
そして、ラジオから誰もが一度は聞いたことがあるであろうお決まりの歌が流れ出る。
『あーたーらしいーあーさがきた きーぼーうのあーさーだ
よろこーびにむねをひーらけー おーおぞーらあーおーげー』
直人はこの曲を聴くたびに不思議に思った。
毎日毎日確かに楽しい。その日によって遊びにいくところも違う。
それでも、どう考えても新しい朝だと思えないのだ。
結局は同じことの繰り返し。
それが嫌なわけじゃない。
夏休みの間は学校にいかなくてすむ。
宿題なんてやる気はおきない。だから勉強もすることもない。
幸せで、それでいて平凡な毎日の繰り返し。
小学生にとっての40日間は気が遠くなるほど長く、それこそ終わりがないかのような。
どうしても、直人にはそれが新しい朝だとは思えなかったのだ。
そして今日も、いつもと代わり映えのない仲間と、ラジオの音で、いつもと変わらない一日が始まるはずだった。
あの、白い女を除いて。
――――――
番家純一(ばんけ じゅんいち)
小学6年生。
三綱靖(みつな やす)
小学6年生。
白井優男(しらい やさお)
高校3年生。ラジオ体操のラジオ当番。
(登場人物の名前、アナグラムだったりします。だから、時々無理が生じてます(爆))
ラジオ体操会場には既にいつも通りの面々がそろっていた。
いなかったのは直人だけのようだ。
友人の番家純一と三綱靖が直人に声をかけてくる。
「今日こないのかと思ったよー」
「直人寝坊してもおかしくねぇからなぁ」
「違うんだよ、何か、変な女がいてさ」
目を光らせる靖。
「変?変質者ってことか!?うっわー見てみたかったなぁ!」
「いや、俺もそう思ってたんだけどさ、実際怖いもんだぜ?」
怖いもの見たさというものはあるもので、小学生は興味津々なのだった。
「よーし、じゃあ、始めるぞ〜!」
声高らかにラジオにスイッチを入れたのは、高校生の白井優男だ。確か受験生だと聞いたが、こんなことをやっていて大丈夫なのか、とか心配になったが、受験のことはよくわからないので直人は考えるのをやめた。
そして、ラジオから誰もが一度は聞いたことがあるであろうお決まりの歌が流れ出る。
『あーたーらしいーあーさがきた きーぼーうのあーさーだ
よろこーびにむねをひーらけー おーおぞーらあーおーげー』
直人はこの曲を聴くたびに不思議に思った。
毎日毎日確かに楽しい。その日によって遊びにいくところも違う。
それでも、どう考えても新しい朝だと思えないのだ。
結局は同じことの繰り返し。
それが嫌なわけじゃない。
夏休みの間は学校にいかなくてすむ。
宿題なんてやる気はおきない。だから勉強もすることもない。
幸せで、それでいて平凡な毎日の繰り返し。
小学生にとっての40日間は気が遠くなるほど長く、それこそ終わりがないかのような。
どうしても、直人にはそれが新しい朝だとは思えなかったのだ。
そして今日も、いつもと代わり映えのない仲間と、ラジオの音で、いつもと変わらない一日が始まるはずだった。
あの、白い女を除いて。
――――――
番家純一(ばんけ じゅんいち)
小学6年生。
三綱靖(みつな やす)
小学6年生。
白井優男(しらい やさお)
高校3年生。ラジオ体操のラジオ当番。
(登場人物の名前、アナグラムだったりします。だから、時々無理が生じてます(爆))
白い女の赤い鍵(仮決定) 1−1
2004年7月2日 小説季節は夏。
しかし、夏といっても早朝はまだ涼しい。林の中を歩いていると、太陽の光もさえぎられて少し肌寒いくらいだ。
少年、金井直人は、小学生の夏休みの日課とも言えるラジオ体操に向かっていた。
心地よい暑さの中、寝ぼけた頭を風に当てて、友達と会う前に意識をしっかりしようとしている。
ラジオ体操は直人達の会議場であった。小学生にとっては終わりなどないかのように長く感じる夏休み。その1日1日をどう使うかを、朝一番に話し合って決めるのだ。
少し寝坊気味だったので、軽く走ると汗が滲んできた。
風が吹けば、その汗が冷えて、また涼しくなる。
ラジオ体操の会場はこの林を抜けた先にあった。
林を抜けてすぐにあるのは、この町で一番大きい通りにでる。
一番大きい、といっても、この町自体がど田舎で、村の間違いじゃないか、というくらいである。
そんな町の大通り。たまに車が通るくらいのものである。
そして、この大通りが、少しにぎわっている町とをつなぐ唯一の通りでもある。
どこかに行くにも、この町へやってくるにしても、この通りを通るしかないのであった。
ラジオ体操会場に既に人が集まってるのが見えてきた。
「やべぇ、遅刻だ!」
直人は急いで林から飛び出した。
車の音はしない。人通りも朝だから少ないからぶつかるはずなんてないと思っていた。
ドンッ
ありえないことが起こった。誰かにあたったのだ。
「え、あ、ごめんなさい・・」
普段では考えられないようなことに戸惑いながらも、とりあえず謝る。
ぶつかった相手は女性だった。いや、少女かもしれない。
大人のような子どものような、はっきり区別のできない顔だった。少なくとも、直人よりは年上だろう。
白い帽子に白いワンピース、靴も白。肌までもが透き通るような白だった。それは、まるで天使のようだ、と直人は思ったが、小学6年生にもなってその妄想は恥ずかしいと思い、頭をふって妄想を飛ばした。
「いった・・・・気をつけなさいよ!」
頭を振る必要はなかった。その女性に怒鳴られたのだ。一気に眠気は醒めた。
「ご、ごめんなさい!!」
不意に怖くなった直人は、とにかくみんなのいるところへ行こうと駆け出した。
「直人くん・・だよね?」
「・・・え?」
突然名前を呼ばれて止まってしまった。
(なんで名前知ってるんだろう・・)
直人は夏休みに入る前に先生が、夏休みは不審者が出やすい、と
言っていたのを思い出した。
しかし、女の人の不審者がいるとは思わなかった。
「さ、さようなら!!」
怖くなった直人はラジオ体操の会場まで一気に駆け出した。
「また後で・・」
その白い女性は、立ち上がって、汚れをはらった。
そして、直人がやってきた林の方へと進んでいった。
――――――
・金井直人
本編の主人公。小学6年生。
しかし、夏といっても早朝はまだ涼しい。林の中を歩いていると、太陽の光もさえぎられて少し肌寒いくらいだ。
少年、金井直人は、小学生の夏休みの日課とも言えるラジオ体操に向かっていた。
心地よい暑さの中、寝ぼけた頭を風に当てて、友達と会う前に意識をしっかりしようとしている。
ラジオ体操は直人達の会議場であった。小学生にとっては終わりなどないかのように長く感じる夏休み。その1日1日をどう使うかを、朝一番に話し合って決めるのだ。
少し寝坊気味だったので、軽く走ると汗が滲んできた。
風が吹けば、その汗が冷えて、また涼しくなる。
ラジオ体操の会場はこの林を抜けた先にあった。
林を抜けてすぐにあるのは、この町で一番大きい通りにでる。
一番大きい、といっても、この町自体がど田舎で、村の間違いじゃないか、というくらいである。
そんな町の大通り。たまに車が通るくらいのものである。
そして、この大通りが、少しにぎわっている町とをつなぐ唯一の通りでもある。
どこかに行くにも、この町へやってくるにしても、この通りを通るしかないのであった。
ラジオ体操会場に既に人が集まってるのが見えてきた。
「やべぇ、遅刻だ!」
直人は急いで林から飛び出した。
車の音はしない。人通りも朝だから少ないからぶつかるはずなんてないと思っていた。
ドンッ
ありえないことが起こった。誰かにあたったのだ。
「え、あ、ごめんなさい・・」
普段では考えられないようなことに戸惑いながらも、とりあえず謝る。
ぶつかった相手は女性だった。いや、少女かもしれない。
大人のような子どものような、はっきり区別のできない顔だった。少なくとも、直人よりは年上だろう。
白い帽子に白いワンピース、靴も白。肌までもが透き通るような白だった。それは、まるで天使のようだ、と直人は思ったが、小学6年生にもなってその妄想は恥ずかしいと思い、頭をふって妄想を飛ばした。
「いった・・・・気をつけなさいよ!」
頭を振る必要はなかった。その女性に怒鳴られたのだ。一気に眠気は醒めた。
「ご、ごめんなさい!!」
不意に怖くなった直人は、とにかくみんなのいるところへ行こうと駆け出した。
「直人くん・・だよね?」
「・・・え?」
突然名前を呼ばれて止まってしまった。
(なんで名前知ってるんだろう・・)
直人は夏休みに入る前に先生が、夏休みは不審者が出やすい、と
言っていたのを思い出した。
しかし、女の人の不審者がいるとは思わなかった。
「さ、さようなら!!」
怖くなった直人はラジオ体操の会場まで一気に駆け出した。
「また後で・・」
その白い女性は、立ち上がって、汚れをはらった。
そして、直人がやってきた林の方へと進んでいった。
――――――
・金井直人
本編の主人公。小学6年生。
彼は忘れていた。
彼は疲れ果てていた。
バイトから帰ってきたところだった。特に肉体労働というわけではないが、連日となると辛いものがあった。
さらに彼は、まだ学生であった。田舎から都会の大学へ。
一人での生活と、授業と、バイト。その繰り返しでは、やはり疲れは溜まってしまうのだった。
やりたいことがないわけではない。だが、これほど忙しいとなかなかやりたいことだけやるわけにはいかないのであった。
帰り着くなり、いきなり布団に倒れこんだ。
「あー、風呂、入らなきゃなぁ・・」
最早湯船につかることすら面倒なほどだった。
しかし、バイトで汗をかいた体をそのままにしておくわけにはいかなかった。
何しろ季節は夏。何もしていなくても汗をかいてしまうというわけだ。
布団に寝転んだまま、彼は、昔もこんなことがあったなぁ、と思い出していた。
クーラーのない部屋で、布団に寝転んで、何か考えていた気がする。窓から見える星は、その時の方が多かった。
あれはいつのことだったか。
ふと、何かを思い出したように彼は立ち上がった。田舎から持ってきたものが入っている段ボールをあさる。
「なつかしいなぁ〜」
中からは、卒業アルバムなどの思い出の品が詰め込まれてあった。
「どの時だったかな・・?」
アルバムを見比べ始める。その時、段ボールの底にあった物に目がいった。
「なんだ・・・コレ?」
それは、鍵だった。
普通の鍵と違うのは、赤い色付きだということだった。
おもちゃのような赤さではなく、自然な赤。錆びついているかのような色である。
しかし、自然にこんな赤がつくわけもなく、不自然といえば不自然であった。
「んん〜?おっかしいな・・なんだっけ・・・」
考えても考えても思い出せない。そして、彼の体をうだるような暑さが包み込んでいく。
「だめだっ、風呂入りながら考えるとしよう・・」
風呂場へ向かう彼の足取りに、全てが面倒であった先ほどの彼の姿はなくなっていた。
彼は、忘れていた。
あれは、いつのことだったか・・
========
友人に触発されて(爆)
以前一度台本にしようとして挫折。小説書いてみて、挫折(爆)
日記になら気がむいたら書けるかな〜とか、日刊とか!(爆)
そんなわけで、書いてくかもしれません〜
彼は疲れ果てていた。
バイトから帰ってきたところだった。特に肉体労働というわけではないが、連日となると辛いものがあった。
さらに彼は、まだ学生であった。田舎から都会の大学へ。
一人での生活と、授業と、バイト。その繰り返しでは、やはり疲れは溜まってしまうのだった。
やりたいことがないわけではない。だが、これほど忙しいとなかなかやりたいことだけやるわけにはいかないのであった。
帰り着くなり、いきなり布団に倒れこんだ。
「あー、風呂、入らなきゃなぁ・・」
最早湯船につかることすら面倒なほどだった。
しかし、バイトで汗をかいた体をそのままにしておくわけにはいかなかった。
何しろ季節は夏。何もしていなくても汗をかいてしまうというわけだ。
布団に寝転んだまま、彼は、昔もこんなことがあったなぁ、と思い出していた。
クーラーのない部屋で、布団に寝転んで、何か考えていた気がする。窓から見える星は、その時の方が多かった。
あれはいつのことだったか。
ふと、何かを思い出したように彼は立ち上がった。田舎から持ってきたものが入っている段ボールをあさる。
「なつかしいなぁ〜」
中からは、卒業アルバムなどの思い出の品が詰め込まれてあった。
「どの時だったかな・・?」
アルバムを見比べ始める。その時、段ボールの底にあった物に目がいった。
「なんだ・・・コレ?」
それは、鍵だった。
普通の鍵と違うのは、赤い色付きだということだった。
おもちゃのような赤さではなく、自然な赤。錆びついているかのような色である。
しかし、自然にこんな赤がつくわけもなく、不自然といえば不自然であった。
「んん〜?おっかしいな・・なんだっけ・・・」
考えても考えても思い出せない。そして、彼の体をうだるような暑さが包み込んでいく。
「だめだっ、風呂入りながら考えるとしよう・・」
風呂場へ向かう彼の足取りに、全てが面倒であった先ほどの彼の姿はなくなっていた。
彼は、忘れていた。
あれは、いつのことだったか・・
========
友人に触発されて(爆)
以前一度台本にしようとして挫折。小説書いてみて、挫折(爆)
日記になら気がむいたら書けるかな〜とか、日刊とか!(爆)
そんなわけで、書いてくかもしれません〜