白い女の赤い鍵(仮決定) 1−4
2004年7月5日 小説直人と純一は、家が近いのも手伝ってこうしてよく二人で話をしていた。
靖のようにやんちゃすぎない二人は、たくさん話し合い、なんでも話せる仲になっていた。
だからこそ、直人は純一のいつもと違う気配を、なんとなく感じ取れていた。
「珍しいな、純一からどこに行きたいなんて言い出すの」
「あ、うん・・・」
やはり純一は何かあったようで、少し落ち着きのない様子だった。
「どうしたの?何かあった?」
思い切って直人が聞いてみると、純一は少し戸惑いながらも、思い切ったように話し始めた。
「俺さ・・受験するんだ」
受験。小学生の多くはまだその言葉についてよく知らないくらいの言葉。その響きは、純一を突然遠い存在のように思わせた。
今までもちょっとずつ塾に通ったりしてきていたらしい。
受験する年の夏休みは、勝負時なそうだ。
それで、遊べない日も増えるだろうから、自分から行きたい場所を言い出したのだという。
「・・・そっか」
「あのさ、靖には言わないでくれないかな?」
「もちろん」
靖は悪い奴じゃないが、隠し事が嫌いだった。
今まで隠してたこともあって、バレたらどうなるかは直人にも想像はついた。
直人のほうが先に着き、いったん二人も別れた。
「父さん、今日はプールに行くから、準備して〜」
玄関をあけてすぐに大声で父親を呼ぶ。
次の瞬間に、玄関の異変に気がついた。
「これ・・誰の靴だ・・?」
そこにあるのは、真っ白な靴。
女物の靴だ。それも手伝って違和感がました。
金井家には女性がいない。母親は一昨年亡くなっていた。
今ではこの田舎特有の少し大きな家に、直人と父親の威厳(いげん)の二人しか住んでいない。
女性がくる要素がまったく思いつかない家族なので、直人は警戒した。
そして、その白い靴は、今朝の白い女を思い出させた。
何にせよ嫌な予感がしたので、スルーすることに決めた。
「・・父さ〜ん?」
「はいは〜い」
家の奥から出てきたのは父親ではなく、白い女だった。
「おかえりなさいませ、直人くん」
「・・・は?」
「はじめまして、上塚乃衣と申します〜」
「・・・いや、は?」
直人の頭は、急展開についていくことができなかった。
靖のようにやんちゃすぎない二人は、たくさん話し合い、なんでも話せる仲になっていた。
だからこそ、直人は純一のいつもと違う気配を、なんとなく感じ取れていた。
「珍しいな、純一からどこに行きたいなんて言い出すの」
「あ、うん・・・」
やはり純一は何かあったようで、少し落ち着きのない様子だった。
「どうしたの?何かあった?」
思い切って直人が聞いてみると、純一は少し戸惑いながらも、思い切ったように話し始めた。
「俺さ・・受験するんだ」
受験。小学生の多くはまだその言葉についてよく知らないくらいの言葉。その響きは、純一を突然遠い存在のように思わせた。
今までもちょっとずつ塾に通ったりしてきていたらしい。
受験する年の夏休みは、勝負時なそうだ。
それで、遊べない日も増えるだろうから、自分から行きたい場所を言い出したのだという。
「・・・そっか」
「あのさ、靖には言わないでくれないかな?」
「もちろん」
靖は悪い奴じゃないが、隠し事が嫌いだった。
今まで隠してたこともあって、バレたらどうなるかは直人にも想像はついた。
直人のほうが先に着き、いったん二人も別れた。
「父さん、今日はプールに行くから、準備して〜」
玄関をあけてすぐに大声で父親を呼ぶ。
次の瞬間に、玄関の異変に気がついた。
「これ・・誰の靴だ・・?」
そこにあるのは、真っ白な靴。
女物の靴だ。それも手伝って違和感がました。
金井家には女性がいない。母親は一昨年亡くなっていた。
今ではこの田舎特有の少し大きな家に、直人と父親の威厳(いげん)の二人しか住んでいない。
女性がくる要素がまったく思いつかない家族なので、直人は警戒した。
そして、その白い靴は、今朝の白い女を思い出させた。
何にせよ嫌な予感がしたので、スルーすることに決めた。
「・・父さ〜ん?」
「はいは〜い」
家の奥から出てきたのは父親ではなく、白い女だった。
「おかえりなさいませ、直人くん」
「・・・は?」
「はじめまして、上塚乃衣と申します〜」
「・・・いや、は?」
直人の頭は、急展開についていくことができなかった。
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